2016年8月14日日曜日

一人で暮らしているということが、脳卒中患者のアウトカムと脳卒中ケアへの与える影響

独居の脳卒中患者では、発症時に病院への到着が遅れ、そのことによって血栓溶解療法を受けることが少なく、自宅復帰が少なかったとの内容です。

Stroke. 2014 Oct;45(10):3083-5.

Impact of living alone on the care and outcomes of patients with acute stroke.

Reeves MJ, Prager M, Fang J, Stamplecoski M, Kapral MK.


Abstract

BACKGROUND AND PURPOSE:

脳卒中発症時に一人暮らしの患者のアウトカムは、急性期治療へのアクセスが減少し直接的に影響を受けたかもしれないし、社会的な孤立によって間接的にも影響を受けたかもしれない。我々はRegistry of the Canadian Stroke Networkで独居と、急性期治療、そしてアウトカムの関連を調べた。


METHODS:

2003-2008の間に11 Ontario hospitalsに入院した自宅に住んでいた急性期脳卒中患者10048 
(87% ischemic, 13% hemorrhagic)
アウトカムは、発症2.5時間以内に到着、自宅退院、30日と1年死亡率、および1年での再入院。


RESULTS:

全体では22.8(n=2288)の患者は、脳卒中の前に自宅で一人暮らししていた。一人暮らしの被験者は、有意に高齢で(mean, 74.6 versus 71.5 years)、女性である可能性がより高く(61.5% versus 41.4%)、夫と死別し(53.7% versus 12.3%),、または独身であった(21.5% versus 3.8%). 一人暮らしの患者は2.5時間以内に到着する可能性が低かった(28.3% versus 40.0%; adjusted odds ratio, 0.54; 95% confidence interval, 0.48-0.60), 血栓溶解療法を受けることができておらず(8.0% versus 14.0%; adjusted odds ratio, 0.52; 95% confidence interval, 0.43-0.63)、自宅に帰ることができていなかった(46.0% versus 54.7%; adjusted odds ratio, 0.65; 95% confidence interval, 0.58-0.73).一人暮らしと死亡または再入院の間に有意な関連はなかった。


CONCLUSIONS:

一人暮らしの患者では病院への到着が遅れ、血栓溶解療法を受けることが少なく、自宅復帰が少なかった。一人暮らしと社会的孤立、脳卒中ケアへのアクセス、そしてアウトカム間の相互関係への深い理解が必要とされている。