回復期の脳卒中患者は肥満のほうが有利かもしれないとの、日本人対象の研究です。
url
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26403365
Obese Japanese Patients with Stroke Have
Higher Functional Recovery in Convalescent Rehabilitation Wards: A
Retrospective Cohort Study. J Stroke
Cerebrovasc Dis. 2015 Sep 21. Impact
Factor 2014=1.669
回復期リハビリテーション病棟での、肥満日本人脳卒中患者は機能回復の結果が良い:後ろ向きコホート研究
Abstract
BACKGROUND:
脳卒中患者における死亡率または機能的結果に過度のボディマス指数(BMI)の保護効果は、アジアにおいては確立されていない。脳卒中の肥満患者は、日本リハビリテーション病棟での機能改善のための利点を持っているかどうかを明らかにすることを目的としました。
METHOD:
この後ろ向きコホート研究では、2011年および2015年に回復期リハビリテーション病棟に入院して、退院した患者を対象としている。入院患者の基礎データ、BMI、機能的自立尺度(FIM)スコア、および栄養状態を分析した。参加者は、BMIに応じて4群に分類した(underweight
<18.5 kg/㎡, standard 18.5-<23 kg/㎡, overweight 23-<27.5 kg/㎡, obese ≥27.5 kg/㎡)。主要アウトカムは、FIM利得であり、二次アウトカムは退院時FIMスコア。重回帰分析は、BMIと機能回復の間の関係を分析するために行った。
RESULTS:
参加者合計は、897(males 484, females 413; mean
age 71.6 years)。それぞれunderweight (134), standard (432),
overweight (277), and obese (54)として分類された。中央値FIM利得と退院時FIMスコアは、それぞれ、30および114。肥満群におけるFIM利得は、他グループに比べて有意に高かった。重回帰分析では、肥満は独立FIM利得と相関していた。そして、年齢、性別、入院時のFIMスコアなどの交絡因子について調整後の退院時のFIM利得とも相関していた。
CONCLUSIONS:
肥満日本人の回復期脳卒中患者はリハビリテーション病棟での機能回復にいくつかの利点を持っているかもしれない。