2015年3月9日月曜日

脳卒中患者は発症後1年たっても不活動な生活をしている。

脳卒中後は座りきりの生活時間が長くなり、また一年間の追跡調査でもその傾向は変わらなかったのと結果です。



Arch Phys Med Rehabil. 2015 Jan;96(1):15-23. doi: 10.1016/j.apmr.2014.08.015. Epub 2014 Sep 16.
Sedentary behavior in the first year after stroke: a longitudinal cohort study with objective measures.
脳卒中後一年間の座りがちな行動:客観的尺度による縦断的コホート研究
Tieges Z, Mead G, Allerhand M, Duncan F, van Wijck F, Fitzsimons C, Greig C, Chastin S.

要約

対象:座りがちな行動を減らすことが新たな治療ターゲットかどうかを確認するために、脳卒中後の座りがちな行動(すなわち、全く運動せずに横になるか、座りっきり)の縦断的変化を定量化する。

デザイン:急性期脳卒中患者の一年間の縦断的コホート研究

設定:退院後の急性期教育病院Acute teaching hospitalや外来クリニック、地域社会

参加者:急性期脳卒中患者96名、平均年齢72歳を発症後1,6,12ヶ月で評価した。
(N=96; median age, 72y, interquartile range [IQR]=64-80y; 67% men; median National Institute of Health Stroke Scale score=2, IQR=1-3)

介入:適用なし

主な評価指標:座りがちな行動で過ごした量と、時間のパターンの客観的な測定。

結果:脳卒中患者は、非常に座りきりで1日のうち平均81%をそのことに費やしていた: 1ヶ月目で平均19.9 hours (IQR=18.4-22.1h), 6ヶ月目で19.1 hours (17.8-20.8h), 12ヶ月目で19.3 hours (17.3-20.9h). 座りがちな行動の縦断的変化は、線形混合効果モデルを用いて推定した. 共変量は、年齢、性別、脳卒中重症度(NIHSS:National Institute of Health Stroke Scale score)、身体機能(6分間歩行距離)、かつ機能的な独立性は(Nottingham Extended Activities of Daily Living Questionnaire score)。脳卒中のより高い重症度と、少ない機能的自立は座りきりの生活と横断的に関連していた。(β=.11, SE=.05, P=.020 and β=-.11, SE=.01, P<.001, respectively). 重要な事は座りきりの行動は脳卒中後の最初の一年では変化しなかったことと機能的能力とは関係がなかったことである。


結論:脳卒中患者は非常に座りきりで、彼らの機能的な能力とは関係なく一年後もそのままだった。脳卒中リハビリテーションにおいて座りがちな行動を減らす介入を開発することは潜在的に新しい治療ターゲットかもしれません。