2014年8月5日火曜日

パーキンソン病に対するキューイングを、聴覚刺激と視覚刺激を比較した結果、聴覚刺激のほうが歩行に対して有意に良い効果があった

パーキンソン病に対するキューイング刺激を、聴覚刺激と視覚刺激を比較した結果、聴覚刺激のほうが歩行に対して有意に良い効果があったとの内容です。

Cueing and Gait Improvement Among People With Parkinson's Disease: A Meta-Analysis
パーキンソン病に対するキュー(刺激《行動をみちびき組織化する感覚信号》)と歩行の改善:メタアナリシス

Archives of Physical Medicine and Rehabilitation
Volume 94, Issue 3, Pages 562–570, March 2013

Sandi J. Spaulding, PhDemail, Brittany Barber, MSc, Morgan Colby, MSc, Bronwyn Cormack, MSc, Tanya Mick, MSc, Mary E. Jenkins, MD

http://www.archives-pmr.org/article/S0003-9993(12)01084-2/abstract

Abstract

Objective
パーキンソン病患者(PD)の歩行に対する、キュー(刺激《行動をみちびき組織化する感覚信号》)において視覚的刺激と音声刺激では相対的にどちらが効果的かを比較する。

Data Sources
系統的な検索は20119月までで行った。使用したデータベースは: EMBASE, Scopus, Medline, CINAHL, and PubMed.

Study Selection
著者4人は次の用語を用いてデータベースを検索した:(Parkinson's disease (略語を含む),gaitcadencesteppacecueingcuesprompt)。PDの歩行に対するキューの効果を評価したすべての研究は、タイトルと抄録をレビュー著者の2組の同意によって選択した。著者それぞれは、各研究に包含および除外基準を適用し、25の記事が選ばれた。含有基準は歩行のパラメータを前後のアウトカムとして計測したキューに関する研究、除外基準はデータが欠如しているものと、歩行補助具を評価したもの。

Data Extraction
各研究からキューの前後のケイデンス、歩幅、速度が収集された。もしデータがグラフ化されている場合は著者のペアは個別に比較され平均化されたデータのポイントを抽出した。

Data Synthesis
データはキューのタイプにもとづいてメタ分析を行って総合的に扱った。聴覚キューはケイデンスの有意な改善を示した (Hedge g=.556; 95% confidence interval [CI], .291–.893)、歩幅 (Hedge g=.497; 95% CI, .289–.696)、速度 (Hedge g=.544; 95% CI, .294–.795)も有意な改善を示した。これとは対照的に、視覚的なキューは歩幅だけが有意な改善をしめした。(Hedge g=.554; 95% CI, .072–1.036).

Conclusions
今回の知見では、聴覚キューがPDの歩行障害を治療するために、より効果的であることを示唆している。さらなる研究が、歩行の改善のための最適な聴覚キューイング戦略を決定するために必要とされる。