少し古い論文ですが、脳卒中後うつ病に対する認知行動療法の効果を検証しています。ここでは、プラセボや標準ケアと比較して有意な差を示せていません。今回の研究と同じような内容の介入を慢性期脳卒中患者のみを対照にして行ってみると違った結果にならないか興味があります。
Cognitive behavioral psychotherapy for depression following stroke: a randomized controlled trial.
Cognitive behavioral psychotherapy for depression following stroke: a randomized controlled trial.
脳卒中に伴う「うつ病(状態)」に対する認知行動(心理)療法:ランダム化比較試験
Lincoln NB, Flannaghan T.
Stroke. 2003 Jan;34(1):111-5.
Abstract
BACKGROUND AND PURPOSE:
脳卒中発症後のうつ病に対する、心理的介入の有効性には決定的証拠がある。私たちは、認知行動療法(CBT)のランダム化比較試験の結果を報告する。
METHODS:
病院に入院した、脳卒中患者に対して脳卒中後1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の気分の質問紙を実施した。落ち込んでいる患者は、試験に参加するために案内され、CBTを受ける群(n =39)、注意プラセボ介入群(n =43)、または標準ケア群(N=41)にランダムに割り当てられた。アウトカムは採用後の3ヶ月、6ヶ月目に実施された。Beck
Depression Inventory, Wakefield Depression Inventory, Extended Activities of
Daily Living scale, London Handicap Scale, そしてケアの満足度の評価。
RESULTS:
患者の気分に関しての各グループ間に、日常生活活動手段、ハンディキャップ、ケアに対する満足度において、各群に独立した有意な差はなかった。
CONCLUSIONS:
脳卒中後うつ病の治療におけるCBTは、この研究では効果がないことが示された。しかし、小さいサンプルサイズ、動員の方法、そして選択基準の理由において、さらに無作為化試験が必要である。