2014年8月1日金曜日

多発性硬化症患者では意思決定に能力の低下を示し、それは視空間学習、処理速度、ワーキングメモリーの能力低下に関連する。

再発寛解型多発性硬化症患者での意思決定機能の低下を分析した研究の紹介です。ここでは、リスク条件下での意思決定に能力の低下があり、それは視空間学習、処理速度及びワーキングメモリの障害に関連する可能性を示したとされています。



多発性硬化症を有する患者の意思決定機能の障害:症例対照研究
Decision-making impairment in patients with multiple sclerosis: a case–control study

BMJ Open 2014;4:e004918 doi:10.1136/bmjopen-2014-004918
Mauricio F Farez, Lucía Crivelli, Ramón Leiguarda, Jorge Correale

Abstract

目的
再発寛解型多発性硬化症患者の明白なリスク条件の下で意思決定と、曖昧さの条件の下でなされた決定との関係を評価する。多発性硬化症(MS)を有する患者において意思決定のパフォーマンスに関連する認知機能を評価する。


設定
ブエノスアイレス、アルゼンチンのMSセンター。


参加者
再発寛解型多発性硬化症の27人の患者と性別、年齢、教育をマッチさせた27人の健常対照者。


介入
Game of Dice TaskIowa Gambling Task.を使用して、神経心理学的評価と意思決定の評価。


アウトカム
Game of Dice TaskIowa Gambling Taskのスコア


結果
MS患者はより頻繁に不利なサイコロの選択し、Game of Dice Taskで有意に劣ったパフォーマンスを示した(p = 0.019)。同様に、Iowa Gambling Taskにおける有意に低い全体的なスコア(p = 0.007)を示した。ブロック解析は、MSを有する患者と、対照は、ブロック12(それぞれp = 0.15p = 0.24)について同等のスコアを示した。逆に、MSを有する患者は、リスクの条件の下での意思決定に対応する紺のテストの最後の2つ、ブロック4p = 0.003)、と5(p= 0.023)ではスコアが劣っていた。最後にGame of Dice Taskのパフォーマンス Iowa Gambling Taskの最後の3ブロックはともに実行機能ではなく、視空間学習、処理速度とワーキングメモリと相関していた。


結論

MSを有する患者は、リスク条件下での意思決定に能力の低下があり、それは視空間学習、処理速度及びワーキングメモリの障害に関連する可能性を示した。