2014年7月29日火曜日

慢性期ギラン・バレー症候群では膀胱機能障害(排尿障害)が日常活動とQOLに悪影響を及ぼしている。しかしまだ十分に研究されていない。

 慢性期ギラン・バレー症候群患者では、夜間頻尿は半分以上が報告し、尿意切迫および頻尿を報告したのは三分の一以上。排尿障害が日常活動に影響を与えるとのことです。
 この分野の研究は進んでいないとのことですが、ギラン・バレー症候群のリハビリテーションに関する文献もとても少ないですね。排尿障害もPTの関われる分野ですが、ギラン・バレー症候群の排尿障害に対する、運動療法なんて分野になるとほぼ報告されていないのではないでしょうか。


Guillain-Barré syndrome: prevalence and long-term factors impacting bladder function in an Australian community cohort.
ギラン·バレー症候群:オーストラリア地域社会コホート研究における膀胱機能に影響を与える有病率と長期的な要因。

J Clin Neurol. 2013 Jul;9(3):144-50. doi: 10.3988/jcn.2013.9.3.144. Epub 2013 Jul 1.
Amatya B1, Khan F, Whishaw M, Pallant JF.

Abstract:

BACKGROUND AND PURPOSE:
排尿障害はギランバレー症候群(GBS)の罹患率と強く関連している。本研究の目的は、慢性期のGBS患者では有病率と膀胱機能障害の日常活動と、生活の質(QoL)における長期的な影響を記述することと、このコホートにおいて一般的に使用される失禁対策との関係を検討することであった。

METHODS:
GBSの治療(1996から2009)を受けた前向きコホート(N=66)は、tertiary hospitalから募集し、膀胱機能障害のための標準化された尺度を用いて評価した: American Urological Association (AUA) Symptom Index, Incontinence Impact Questionnaire, Urogenital Distress Inventory.

RESULTS:
66人の参加者(64% male, mean age 56 years, median disease duration of 6.1 years)が試験を完了した。夜間頻尿は半分以上を報告し、尿意切迫および頻尿を報告したのは三分の一以上。排尿障害が対象者の日常生活活動に影響を与えた問題:身体的レクリエーション(21%)、情緒的健康と気分(17%)、娯楽(14%)、参加と移動度(>30分)(12%)、そして家事仕事( 8%)。GBSを罹病して以降、49%がある程度の日常生活における排尿症状の影響を報告し、QOLへの悪影響(10.6%)を報告した。膀胱症状と、泌尿生殖器に関する苦痛の程度(p <0.001)および尿の問題への影響の程度(p <0.001)の有意な関係は注目された。膀胱スケールでの高いスコアが、心理的、機能的スケール、そして参加のスケールと有意な相関を示した。単一のQoL項目(AUAスケール)が、他のすべての膀胱尺度と有意に相関した(rho=0.63-0.86)これは、さらなる評価をする患者を同定するための可能性のある「スクリーニングツール」とすることができる。

CONCLUSIONS:
GBSの慢性期における膀胱機能障害は十分に研究されていない。長期的なスクリーニングと膀胱機能への介入のアウトカムにおけるより多くの研究は、統合的なケアと臨床医の治療をガイドするために必要とされている。