2014年7月31日木曜日

リハビリテーション入院施設における脳卒中患者のための理学療法士の介入の内容(ただし米国の場合)。理学療法の時間のうち31.3%が歩行練習に費やされている。

昨日紹介した日本の理学療法士の脳卒中に対する、理学療法の内容についての文献(前回記事)の米国版です。ただし、10年前の少し古いものです。理学療法の時間のうち31.3%が歩行練習に費やされていたとのことです。前回報告した文献での日本の理学療法場面での歩行練習に占める割合は18.9%ですから、比較するとかなり多い印象があります。


リハビリテーション入院施設における脳卒中患者のための理学療法士の介入について
Physical Therapy Interventions for Patients With Stroke in Inpatient Rehabilitation Facilities

Diane U Jette, Nancy K Latham, Randall J Smout, Julie Gassaway, Mary D Slavin and Susan D Horn
Phys Ther. 2005 Mar;85(3):238-48.

Abstract

Background and Purpose.
The purpose of this study was to describe physical therapy provided to patients with stroke in inpatient rehabilitation facilities.
この研究の目的は、入院患者用のリハビリテーション施設で脳卒中患者に提供される理学療法の内容を分析することでした。

Subjects and Methods.
米国における6つのリハビリ施設での理学療法サービスを受けている972人の脳卒中患者からデータを得た。記述統計は、理学療法における特定の機能的な活動の治療時間の割合と、その活動が59の介入のうちどれを含んだものだったかを表現するために記述統計を用いた。

Results.
 患者の平均入院日数は18.7(SD=10.3)、理学療法は平均して13.6(SD=7.8)受けた。 患者は平均して1.5(SD=0.3)の理学療法セッションを受けて、それぞれのセッションは38.1 (SD=17.1)だった。歩行と準備活動(Gait and prefunctional activities)がもっとも頻繁に行われた(それぞれ総治療時間の31.3%19.7%)。歩行活動のために理学療法士はセッションの50%以上でバランスと姿勢意識向上トレーニングを行っていた。そして準備活動の50%以上は筋力トレーニングを行っていた。86%の患者は評価を受けて、84%の患者は教育を受けた。

Discussion and Conclusion.

セラピストは特定の介入技術よりも、さまざまな要素を含んだアプローチを選択していた。患者ケアへのアプローチには障害を修正し、機能制限を補うための介入が含まれていた。sセラピストはすべての活動を促進するために運動制御や運動学習のアプローチを用いていているとしばしば報告した。ケアへのこのアプローチは既存の脳卒中ケアガイドラインと、運動制御と運動学習の科学的進歩と概ね一致している。








2014年7月30日水曜日

入院脳卒中患者に対する理学療法場面での、理学療法士の選択する練習内容に影響を与える因子を調査したら、欧米の研究よりも歩行練習の割合が少なかったとのこと。

日本の理学療法士が入院脳卒中患者に対する理学療法場面において選択する練習内容は、アメリカやニュージーランドでの先行研究と比較して歩行などのmovement activitiesの割合が少なかったとのこと。


Are contents of physical therapy in nine Japanese hospitals for inpatients with stroke related to inpatients' and physical therapists' characteristics?
脳卒中による入院患者のための日本の9つの病院での理学療法の内容と、患者と理学療法士特性との関係

J Phys Ther Sci. 2013 May;25(5):641-7.
Shinohara T, Usuda S.

Abstract

[Purpose] この研究では脳卒中の理学療法の際にそこで提供されている活動に影響を与える因子を調査した。

[Subjects] データは理学療法士85人と脳卒中入院患者216人から得た。

[Methods] 脳卒中による入院患者に提供される特定の機能的活動で過ごされる時間を、9つのリハビリテーション施設で記録した。 これらを従属変数として用いた。理学療法士の特性としては、免許取得後年数、性別、脳卒中理学療法に影響を与える治療概念が記録された。入院患者の特性としては年齢、性別、麻痺側、脳卒中後の日数、Modified Rankin Scale(mRS)、とFunctional Independence Measure(FIM gait)が記録された。理学療法士、入院患者特性を独立変数として使用した。どの従属変数と独立変数が相関するのかを調べるためにt検定と相関係数、および共分散分析を用いた。

[Results] Pre-gait(歩行前の練習)とadvanced gait(応用歩行)、community mobility(地域での移動)が mRS and FIM gaitと相関していた (|rs| = 0.32-0.62)。他の機能的活動に費やした時間は入院患者特性と弱い相関関係を有していた。 機能的な活動に有した時間は理学療法士特性とは全く無いか、ほとんど相関関係がなかった。


[Conclusion] 特定の機能的な活動に費やされる時間と理学療法士特性の関係は、入院患者特性との関係よりも弱かった。脳卒中に対する理学療法にはさまざまな要素を含んでいる。









2014年7月29日火曜日

慢性期ギラン・バレー症候群では膀胱機能障害(排尿障害)が日常活動とQOLに悪影響を及ぼしている。しかしまだ十分に研究されていない。

 慢性期ギラン・バレー症候群患者では、夜間頻尿は半分以上が報告し、尿意切迫および頻尿を報告したのは三分の一以上。排尿障害が日常活動に影響を与えるとのことです。
 この分野の研究は進んでいないとのことですが、ギラン・バレー症候群のリハビリテーションに関する文献もとても少ないですね。排尿障害もPTの関われる分野ですが、ギラン・バレー症候群の排尿障害に対する、運動療法なんて分野になるとほぼ報告されていないのではないでしょうか。


Guillain-Barré syndrome: prevalence and long-term factors impacting bladder function in an Australian community cohort.
ギラン·バレー症候群:オーストラリア地域社会コホート研究における膀胱機能に影響を与える有病率と長期的な要因。

J Clin Neurol. 2013 Jul;9(3):144-50. doi: 10.3988/jcn.2013.9.3.144. Epub 2013 Jul 1.
Amatya B1, Khan F, Whishaw M, Pallant JF.

Abstract:

BACKGROUND AND PURPOSE:
排尿障害はギランバレー症候群(GBS)の罹患率と強く関連している。本研究の目的は、慢性期のGBS患者では有病率と膀胱機能障害の日常活動と、生活の質(QoL)における長期的な影響を記述することと、このコホートにおいて一般的に使用される失禁対策との関係を検討することであった。

METHODS:
GBSの治療(1996から2009)を受けた前向きコホート(N=66)は、tertiary hospitalから募集し、膀胱機能障害のための標準化された尺度を用いて評価した: American Urological Association (AUA) Symptom Index, Incontinence Impact Questionnaire, Urogenital Distress Inventory.

RESULTS:
66人の参加者(64% male, mean age 56 years, median disease duration of 6.1 years)が試験を完了した。夜間頻尿は半分以上を報告し、尿意切迫および頻尿を報告したのは三分の一以上。排尿障害が対象者の日常生活活動に影響を与えた問題:身体的レクリエーション(21%)、情緒的健康と気分(17%)、娯楽(14%)、参加と移動度(>30分)(12%)、そして家事仕事( 8%)。GBSを罹病して以降、49%がある程度の日常生活における排尿症状の影響を報告し、QOLへの悪影響(10.6%)を報告した。膀胱症状と、泌尿生殖器に関する苦痛の程度(p <0.001)および尿の問題への影響の程度(p <0.001)の有意な関係は注目された。膀胱スケールでの高いスコアが、心理的、機能的スケール、そして参加のスケールと有意な相関を示した。単一のQoL項目(AUAスケール)が、他のすべての膀胱尺度と有意に相関した(rho=0.63-0.86)これは、さらなる評価をする患者を同定するための可能性のある「スクリーニングツール」とすることができる。

CONCLUSIONS:
GBSの慢性期における膀胱機能障害は十分に研究されていない。長期的なスクリーニングと膀胱機能への介入のアウトカムにおけるより多くの研究は、統合的なケアと臨床医の治療をガイドするために必要とされている。











2014年7月28日月曜日

慢性脳卒中患者にとって肥満は運動機能のパフォーマンスを阻害する因子になるよ。

慢性脳卒中患者が肥満になると、そのことが運動機能のパフォーマンスを落とすとのことです。リハビリテーションの目標を作るときには肥満度も考慮したほうが良いだろうと述べています。108人の対象がいる研究で、53.0歳で比較的若い。さらに、平均BMIが28.5とはなかなか大きい。高齢慢性脳卒中患者に絞って、痩せ、普通、肥満で調査したら、どのような結果になるのかな?


Relationship between body mass index and rehabilitation outcomes in chronic stroke.
慢性脳卒中患者のBMIとリハビリテーションアウトカムの関係

Am J Phys Med Rehabil. 2012 Nov;91(11):951-6.
Sheffler LR1, Knutson JS, Gunzler D, Chae J.


Abstract

OBJECTIVE:
本研究の目的は、慢性脳卒中患者への、歩行のリハビリテーション介入後のbody mass index(BMI)と、運動障害および機能的移動能力の変化との関係を評価すること。


DESIGN:
2つの12週間の歩行練習介入を比較するランダム化比較試験に参加した片麻痺被験者 (n = 108, >3 months post stroke) で、介入前と介入後のFugl-Meyer scores と modified Emory Functional Ambulation Profile scoresの相関と線形回帰分析を行う


RESULTS:
年齢と、性別、脳卒中タイプ、脳卒中後の期間、トレーニング機器、で統制した線形回帰モデルでは Fugl-Meyerのスコアは介入前BMIと有意に関連していた(β = -0.207, P = 0.036)。"up and go" modified Emory Functional Ambulation Profile score(Blog管理者 注:つまりTimed up & go testのスコア)はBMIとネガティブに有意相関した(β = 0.216, P = 0.03)。 modified Emory Functional Ambulation Profile scoresの変化のうち1) in floor, 2) carpet, 4) obstacles,  5) stair climbingではBMIと有意な相関はなかった。


CONCLUSIONS:
高いBMIの慢性脳卒中患者は治療介入にかかわらず、移動トレーニングに応じては、運動機能と立ち上がって歩く機能的動作パフォーマンスの改善を示しそうではなかった。脳卒中リハビリテーション臨床医はリハビリテーションの目標を作るとき」に、BMIを考慮すべきである。肥満が長期的に脳卒中後の運動や機能回復の予測因子であるかどうかを判断するためにさらなる研究が必要である。






注:Modified Emory Functional Ambulation Profile
The Modified Emory Functional Ambulation Profile (mEFAP) is a clinical test that measures the time to ambulate through five common environmental terrains. Specific tasks include 1) a 5-m walk on a hard floor; 2) a 5-m walk on a carpeted surface; 3) rising from a chair, a 3-m walk, and return to a seated position (the “timed up-and-go” test); 4) standardized obstacle course; and 5) stair ascent and descent. The test was administered using a hand-held stopwatch in the sequence listed and the five component timed subscores were recorded. The validity16 and interrater reliability16–17 of the mEFAP have been determined. The change of the mEFAP timed score, for each of the five component tasks, was used as a dependent variable, which was defined as the measure at 12-wks subtracted by the measure at baseline.

引用:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3477255/#!po=50.0000

2014年7月26日土曜日

パーキンソン病の転倒予測でTimed Up & Go test (TUGT)を用いた場合のカットオフ値は11.5秒である

パーキンソン病の転倒予測でTUGTを用いた場合のカットオフ値は11.5秒であることがわかったそうです。


Timed Up & Go testを用いたパーキンソン病の臨床的転倒予測
Nocera JR1, Stegemöller EL, Malaty IA, Okun MS, Marsiske M, Hass CJ

Arch Phys Med Rehabil. 2013 Jul;94(7):1300-5. doi: 10.1016/j.apmr.2013.02.020. Epub 2013 Mar 6.
Published Online: March 07, 2013 DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.apmr.2013.02.020


目的:
転倒の危険性があるパーキンソン病の患者を識別するためにTimed Up & Go test(TUGT)の能力を調査する。

デザイン:
横断コホート研究。

設定
:Sixteen participating National Parkinson's Foundation Centers of Excellence

参加者:
2985人の記録(men 1828 , women 1157)、884人が情報の不足(年齢、診断、脳深部刺激、罹病期間、歩行補助具無しでのTUGTの結果)によって弾かれて、2097人の患者が分析対象として残った。

介入:該当事項なし

主な評価項目:この研究の主な評価項目は転倒、主な独立変数はTUGTであった、

結果:
最初は調査されたすべての偏りで調整したTUGTから転倒の予測を検討した。
得られたデータでの推定モデルでは、参加者の74%が転倒者、非転倒者に分類されたことが示唆され、偶然以上の大幅な感知度だった (χ2 range [df=17], 531.29–542.39, P<.001)。
TUGTの効果は疾患重症度にわたって不変であったかどうかの二次モデルでは、参加者の75がじっさいに正確に転倒者、非転倒者にに分類された。
追加の分析で転倒するか、しないかのTUGTのカットオフ値は11.5秒であることがわかった。

結論:
今回の結果はTUGTが転倒の危険があるパーキンソン病患者を鑑別するための良い評価ツールであることを示唆する。




2014年7月25日金曜日

糖尿病がある脳卒中患者とない脳卒中患者では、ない患者のほうがリハビリテーションの成果が出やすい。

糖尿病を合併している脳卒中患者と、合併していない脳卒中患者のリハビリテーションの成果

Rehabilitation Outcomes of Stroke Patients With and Without Diabetes
Bridgett Piernik-Yoder, PhD, OTRemail, Norma Ketchum, MS
Published Online: May 01, 2013
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.apmr.2013.04.014

Abstract

Object
糖尿病併存症と脳卒中患者のリハビリテージョンの成果の関係を調査する。

デザイン
二次データ分析。

設定
入院患者用のリハビリテーション施設。

参加者
20042008年に入院患者のリハビリを受けた脳卒中(N=35243)。

介入 
なし。

主なアウトカム評価項目
FIM、入院期間、および退院先。

結果
対象患者の年齢は71.0±13.2歳であった。 46.2%が有健康保険者、メディケア受給者は、53.8%だった。対象患者のうち、34.5%は糖尿病を併存疾患としていた。そのうち17.2%がtier-eligible82.8%がnontier eligibleとして分類した。調査結果は、糖尿病を持つこの対象患者は、糖尿病のないものよりも若年齢でリハビリテーション·サービスのために入院したとし、そして患者の年齢
に和らげられるtier-eligible糖尿病併存症が、脳卒中リハビリテーション結果のかなりの予測手段であるとした先行研究を支持している。さらに、支払資源に関係なく、類似した調査結果になった。


結論

この研究は、併存疾患として糖尿病が大幅に脳卒中リハビリテーションの結果に関連していることを追加の証拠を提供するが、そのことは、患者の年齢によって緩和される。

*ICD-9 codes 250.0 through 250.3 were classified as nontier comorbidities
(250) 糖尿病のmellitus
(250.0) 糖尿病のmellitus 言及なしの 複雑化
(250.1) ketoacidosis の糖尿病
(250.2) hyperosmolarity の糖尿病
(250.3) 他の昏睡状態が付いている糖尿病
(250.4) 腎臓の明示の糖尿病
(250.5) 眼の明示の糖尿病
(250.6) 神経系の明示の糖尿病
(250.7) 周辺循環無秩序の糖尿病
(250.8) 他の指定明示の糖尿病
(250.9) 明記していない複雑化の糖尿病



2014年7月22日火曜日

【読書メモ】はじめてのメタアナリシス

はじめてのメタアナリシス (臨床家のための臨床研究デザイン塾テキスト) 

野口善令 (著), 福原俊一 (監修)


◯第1章 メタアナリシスとは

メタアナリシスとは、統計学的手法を用いて同じテーマの複数の論文をひとつにまとめ、解析する研究。

EBMや臨床疫学への理解が深まる。

集めたデータをそのまま足し算すると、シンプソンのパラドックス(参考;http://goo.gl/yML0NJ )が生じることがあるため、各RCTを代表する効果量(リスク差、リスク比、オッズ比など)を算出してから重みづけ平均する。

重み付け平均の方法
・サンプルサイズの影響によるばらつきを公平に扱うために、サンプルサイズが大きい研究には重くウェイトをかけ、小さい研究には軽くウェイトをかける
・効果量の分散varianceの逆数をかけたものがよく使われる。

 
第2章 異質性とは

異質性=複数の臨床研究がある場合、中には結論が一致しないものが出てくることがあること(inconsistency)

異質性には、概念的異質性と統計学的異質性の2つがある。
・概念的異質性=研究を読み込むことでわかる。目に見える相違(対象集団の違い、研究デザインの違い
・統計学的異質性=研究結果のばらつきの相違

異質性の扱い
・統計学的にも概念的にも異質→メタアナリシスしない
 対処法・・・サブグループ解析、メタ回帰分析

 
第3章 メタアナリシスの手順

おおまかにPICOを決定→試験的に検索→論文を見てPICO修正→使えるoutcomeを探す→(以上繰り返す)→PICOの決定→統計的解析→異質性の検討、サブグループ分析


第4章 メタアナリシスのバイアス

メタアナリシスにおけるバイアスは、一次研究レベルでのバイアスと、メタアナリシスを行う過程で入り込んでくるバイアス(出版バイアス、選択バイアス)の2種類がある。


第5章 メタアナリシスの解釈と注意点

メタアナリシスの弱点、テーマの見つけ方


付録 統計の話


感想
メタアナリシスを読むための本です。ボリューム少なめで、統計学の知識が私のように乏しくても理解できるように構成されている親切な内容でした(付録ではp値の意味や95%信頼区間も丁寧に説明してあります)。職場で定期的に英文抄読会を行っているけれど、これまで以上にメタアナリシス、システィマティックレヴューが楽しめそうです。エビデンスを臨床に使う際にも役に立つ知識が得られると思います。さらにメタアナリシスについて理解を深めるためには、一歩進んで自分でメタアナリシスをやってみるつもりで取り組む必要があるのでしょう(この本はあくまで「読む」ための知識が得られる本だと思います)。



はじめてのメタアナリシス (臨床家のための臨床研究デザイン塾テキスト)

野口善令 (著), 福原俊一 (監修)

2012年3月第2版第1刷
















2014年7月7日月曜日

脳卒中患者のトレッドミルトレーニングは、下肢からの抵抗をかけるよりも、円滑に動くように補助したほうが良い。

Roboticとあるのですが、基本的にはトレッドミル+αの装置を使ったものです。脳卒中患者のトレッドミルトレーニングは、下肢からの抵抗をかけるよりも、円滑に動くように補助したほうが良い。という内容の論文の紹介です。


Volume 95, Issue 5, Pages 799–806, May 2014
Robotic Resistance/Assistance Training Improves Locomotor Function in Individuals Poststroke: A Randomized Controlled Study
ロボット抵抗/補助トレーニングは、脳卒中患者における運動機能を向上させる。:ランダム化比較研究
Ming Wu, PhDemail, Jill M. Landry, MSPT, Janis Kim, MPT, Brian D. Schmit, PhD, Sheng-Che Yen, PT, PhD, Jillian MacDonald, DPT

Objective
トレッドミルトレーニング中の麻痺側下肢への足首からの抵抗に対して補助は、どちらが、脳卒中患者の歩行機能をより改善するのかを判断すること。

Design
並列設計と2群間無作為化対照試験で、同患者を繰り返し評価。

Setting
リハビリテーション病院の研究ユニット

Participants
慢性脳卒中患者(=30 N)。

Intervention
被験者は、自由歩行速度に基づいて層別化し、ランダムに抵抗トレーニング群と補助群に割り当てられた。制御された抵抗負荷は、トレッドミル歩行遊脚期に抵抗するために、麻痺側の足首を介して行われた。補助群の場合は、スイングを補助する力が加えられた。

Main Outcome Measures
一次アウトカム指標は、歩行速度と6分間の歩行距離。二次アウトカム指標は、バランス、筋肉の緊張、および生活の質の臨床的評価。アウトカム指標は、介入前と訓練の6週間後と8週間のフォローアップ時に評価され、グループ内の2群間で比較した。

Results
ロボットトレーニングの6週間後に2群とも歩行速度が有意に向上した。2群間では歩行速度に有意な差はなかった。また、6分間歩行距離とバランスが補助グループでは有意に改善した。抵抗グループでは有意差はなかった。

Conclusions

トレッドミルトレーニング中に麻痺側下肢に制御抵抗や支援の負荷を適用すると、個人の脳卒中後における歩行速度の改善を誘導する可能性がある。抵抗トレーニングは、補助トレーニングよりも脳卒中患者に下肢運動機能を向上させることにおいて優れなかった。

http://www.archives-pmr.org/article/S0003-9993(14)00006-9/abstract