上肢痙縮の治療に焦点筋肉振動(フォーカルマッスルヴァイブレーション):慢性脳卒中患者のパイロット無作為対照化試験
Focal muscle vibration in the treatment of upper limb spasticity: a pilot randomized controlled trial in patients with chronic stroke.
Arch Phys Med Rehabil. 2012 Sep;93(9):1656-61. doi: 10.1016/j.apmr.2012.04.002. Epub 2012 Apr 13.
OBJECTIVE:
慢性脳卒中患者における治療後上肢1ヶ月の運動機能に、繰り返し焦点筋肉振動(rMV)の臨床効果を調べた。
DESIGN:
我々は、二重盲検法(平行したグループ研究デザイン)を使用しているパイロット無作為対照化試験を行った。
SETTING:
医療センター(Medical center.)
PARTICIPANTS:
慢性脳卒中患者 49名
INTERVENTIONS:
対照群(CG)の患者がプラセボ振動する治療を受ける間、研究群(SG)に無作為割付けされた患者は rMVを受けた。
患者と臨床評価者は、介入がわからないようにした。
MAIN OUTCOME MEASURES:
主要なエンドポイントは、Wolf Motor Function Testの機能的能力の尺度(WMFT FAS)での .37ポイント以上の改善とした。
Modified Ashworth Scaleとvisual analog scale は、第二の結果尺度とした。すべての測定は、介入後の測定(t0)と1週(t1)と1ヵ月(t2)に管理された。
RESULTS:
28人の患者がSGに21人がCGに割り付けられた。繰り返し測定のための分散分析は、SG(P=.006)だけで、WMFT FASスコアの経時的な発現に関する有意差を明らかにした。その治療は、SGの中で募集された21人の患者のうちの7人(33%)、およびCGの中で募集された15人の患者のうちの2人(13%)で成功した。相対危険度は2.5(95%の信頼区間、.60-10.39)だった。また、治療効果発現必要症例数は5だった。ウィルコクソン検定は、SG(P=.02)の中のt0とt2の間の統計的に有意な差を示した。有害事象は2つのグループの中で観察されなかった。
CONCLUSIONS:
結果は、上肢のrMV治療が慢性の脳卒中患者の機能的な能力を高めるかもしれないことを示唆している。しかし、より大きな複数機関の無作為化された比較試験は必要。
本文URL
http://www.archives-pmr.org/article/S0003-9993(12)00255-9/fulltext#tbl1
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