この研究のデザインは、臨床場面で症例研究しようとする際の参考になると思った。
メモ
介入による即時的効果では、立ち上がり時間の改善が得られた。パーキンソン病患者では大脳基底核を経由した内発性随意運動が障害されるが、音リズム刺激などの外側運動前野を経由した外発性随意運動を用いることで運動の発現に必要なきっかけを作ることができると考えられている。
Binswanger病によるパーキソニズムを呈した症例に対するバランスボールを用いたリズム運動の効果
近藤美緒・他
目的
Binswanger病によるパーキソニズムによる動作障害に対してバランスボールを用いたリズム運動の有効性の検討。
対象と方法
60歳台 男性。 研究デザインはA-B-A-B型Single subject study。操作導入期はバランスボールを用いたリズム運動の後立ち上がり動作を繰り返し。非導入期は立ち上がり練習反復。評価項目は立ち上がり時間、歩行速度、FIM、UPDRS
結果
立ち上がり時間は操作導入期において反復動作前後で有意な改善を認めた(p<0.05)。Single-middle lineによる立ち上がり時間の変化の比較では、操作導入期において有意な改善を認めた(p<0.05)。歩行速度、FIM、UPDRSに有意な差は認めなかった。
結論
Binswanger病によるパーキソニズム患者に対して、バランスボールを用いたリズム運動により立ち上がり時間が短縮。効果として、動作開始までの反応時間の短縮と座位姿勢の安定性向上を示唆。