・メモ
膝軟骨は、半月板損傷、半月板切除術後に局所的な変化を生じやすくなる。
軟骨組織に対して適度な力学的負荷は軟骨保護に働く可能性が基礎研究結果から指摘。
臨床現場で膝関節面にどの程度の力学的負荷が加わっているかを定量化する方法は未確立。
半月板損傷や半月板切除術後の理学療法では、術後急性期の段階から加わる力学的負荷を考慮する。
しゃがみこみ動作等の深屈曲位では脛骨の接触面積は半月板に依存する割合が増大する。半月板後角周辺の切除あるいは損傷によって後方の被覆部軟骨が直接荷重を受けるような際には特に注意を要する。
理学療法学第40巻第5号 355-363頁(2013年)
飯島弘貴 青山朋樹 他
【目的】
半月板に被覆された軟骨と非被覆軟骨との力学的特性と組織学的所見の検証。
【方法】
豚膝関節の内外側関節面における被覆部軟骨、非被覆部軟骨から骨軟骨プラグを採取。
【結果】
被覆された軟骨の方が圧縮負荷に対する変化量が大きく、サフラニンO染色性は低い。表層コラーゲン繊維の密度が低い。
【結論】
日常的に半月板を介在して荷重を受けていた被覆部軟骨は軟骨基質成分に乏しく、半月板切除後に被覆部軟骨が直接荷重を強いられると局所的に大きな変形を生じる可能性がある。