2012年7月31日火曜日

脳卒中後の機能回復のための鍼治療:shamで制御された無作為化臨床試験のシステマチックレビュー

脳卒中後の治療における針治療の効果を検証した論文の紹介です。

結果としては脳卒中後の機能回復治療として針療法は明白な効果を示さなかったとのことです。

全文URL
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2972322/?tool=pubmed

CMAJ. 2010 Nov 9;182(16):1723-9. Epub 2010 Sep 27.

脳卒中後の機能回復のための鍼治療:shamで制御された無作為化臨床試験のシステマチックレビュー

Acupuncture for functional recovery after stroke: a systematic review of sham-controlled randomized clinical trials.

Kong JC, Lee MS, Shin BC, Song YS, Ernst E.
Department of Oriental Rehabilitation Medicine, College of Oriental Medicine, Wonkwang University, Iksan, South Korea.

要約

背景:
鍼療法は脳卒中リハビリテーションの際に補助的な治療として頻繁に推奨されている。 このレビューの目的は、その有効性を評価することである。

方法:
25のデータベースと主要な韓国の伝統的医学ジャーナル12誌をそれらの創刊から2009年10月まで検索した。 無作為化比較試験であり、鍼療法(電気刺激の有無にかかわらず)の効果を擬似鍼療法と比較した無作為化比較試験を入れた。 言語には制限を加えなかった。Cochrane risk-of-bias criteriaとPEDro(理学療法Evidence Database)スケールを使用することでトライアルの方法論的な質を評価した。

結果:
潜在的に関連している664の研究のうち10の研究は包含評価基準を満たした。 脳卒中の急性期と亜急性期のステージは、私たちは7試験に含んでいた。 機能評価した5研究のメタアナリシスでは鍼療法に対して、高い異質性をもって優位性を支持するような明らかな違いはなかった。バイアスのリスクが低い3つの試験の、事後的な感度分析では、介入期間の終了時(n = 244; standard mean difference 0.07, 95% confidence interval [CI] -0.18 to 0.32; I(2) = 0%)または後のフォローアップ(n = 244; standard mean difference 0.10, 95% CI -0.15 to 0.35; I(2) = 0%)における日常生活の活動に対する鍼の有益な効果を示さなかった。脳卒中の慢性期では、3つの試験はModified Ashworth Scaleによって鍼の効果をテストしたが、すべてが良好な効果を示さなかった。

解釈:
厳しいrandomized sham-controlled trialsからのデータのメタアナリシスでは、脳卒中後の機能回復治療として鍼療法は明白な効果を示さなかった。





A patient being treated with  acupuncture moxibustion in Nelson, New Zealand by Charlotte Stuart MAc RN
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