日本癌治療学会、「コメディカル」の表記を自粛へ という記事についてです。
日本癌治療学会はこれに関して代案が出ているわけでなく、「コ・メディカル」という用語は使用せずに,薬剤師,看護師,検査技師,放射線技師等といった医療専門職の名称を積極的に使用することが望まれます。」とのことです。しかし、用語が無いのはそれはそれで不便であるような気も致します。
そもそも、過去に「パラメディカル」という用語がつかわれていて、「接頭辞の "para-" は「補足する」「従属する」という意味であり、パラメディカルは医師の補助をする職種を指している。」という経緯で「コメディカル」になったのことですが、「パラメディカルスタッフ」のほうが「標準英語」でその「標準英語」を「和製英語」にわざわざ修正した(wikipediaより)とのこともやや奇妙なことに感じるのですが、「言葉狩り」の結果、新しく「和製英語」が作られ、それが広く使われるようになった経緯も興味深いです。
しかしさらにその30年後に、「Comedy「喜劇」の形容詞(comedical)と解釈される場合があり和製英語としても不適切である 」との提案がなされるにあたってはこれぞまさに壮大なComedyだと思います。
Britannica Online Encyclopediaで「paramedical personnel」の検索では、必ずしも否定的なことが書いてないようですから、「標準英語」に戻すことも方法としてはあるような気も致します(でもすでに議論されて否定された「元の用語」に戻すってことはないでしょうが)。
来月末の日本理学療法士協会評議員会でも同じ議題が出ていて、代わりの用語も考えられているということですが、どのような提案がなされるのでしょうか。注視したいですね。海外では他に、Allied Health Personel 、Allied Health Occupation、Health Practioner といった用語も使われているとのことでしたが、これはそのままのカタカナ日本語として使いにくそうだ、、、。
「コ・メディカル」という用語の原則使用自粛について
「コ・メディカル」という言葉は,一般的には医師以外の医療専門職(看護師,薬剤師,検査技師等)の方を意味する用語として現在広く使用されていますが,この用語には,(1)意味する職種の範囲が不明確である,(2)Comedy「喜劇」の形容詞(comedical)と解釈される場合があり和製英語としても不適切である,(3)「医師とそれ以外」といった上下関係を暗示させすべての医療人が対等に参画することが原則のチーム医療の精神に反する等の問題点が兼ねてより指摘されています。
この点に鑑み,本会においても理事会で本用語使用の是非について慎重に審議を重ねて参りました。また,本会会員の皆様からもパブリックコメントを公募致しました。
その結果,今後,本会での発表や学会関連の出版物では,この用語の使用を原則として自粛することが本年度の代議員総会で決定されました。
以上の方針は,平成24年の第50回学術集会から施行されます。つきましては,平成24年の第50回学術集会からは,本会の発表では本用語の使用は原則として自粛するよう会員の皆様にお願い申し上げます。
「コ・メディカル」という用語は使用せずに,薬剤師,看護師,検査技師,放射線技師等といった医療専門職の名称を積極的に使用することが望まれます。
平成24年1月25日
一般社団法人日本癌治療学会
理事長 西山 正彦
英語圏では paramedic(英語発音: /ˈpærəˌmedik/ パラメディク)または「paramedical staff」と呼ばれ、日本でも英語にならって「パラメディカル」「パラメディカルスタッフ」との呼称が用いられていた。接頭辞の "para-" は「補足する」「従属する」という意味であり、パラメディカルは医師の補助をする職種を指している。
1982年(昭和57年)、第1回糖尿病患者教育担当者セミナーの講演において、阿部正和東京慈恵会医科大学学長(当時)が、患者教育には医師のみならず全ての関係スタッフの協力が不可欠として、医師以外の関係スタッフを卑下したパラメディカルとの呼称を止め、「協同」を意味する接頭辞の "co-" を用いた「コ・メディカル」(co-medical、英語発音: /ˌkouˈmedikəl/ コウメディカル)との呼称の使用を提唱した[3]。「コ・メディカル」という名称は、後に定着する「チーム医療」の考えと合致し、日本の医療業界に広く受け入れられた。
paramedical personnel, also called Paramedics, health-care workers who provide clinical services to patients under the supervision of a physician. The term generally encompasses nurses, therapists, technicians, and other ancillary personnel involved in medical care but is frequently applied specifically to highly trained persons who share with physicians the direct responsibility forpatient care. This category includes nurse practitioners, physician’s assistants, and emergency medical technicians. These paramedical workers perform routine diagnostic procedures, such as the taking of blood samples, and therapeutic procedures, such as administering injections or suturing wounds; they also relieve physicians of making routine health assessments and taking medical histories.
Photo By Steve K